上北山村 やまゆり保育園竣工
当社で設計・監理を担当した、奈良県上北山村のやまゆり保育園が竣工しました。
建築データ
設計・監理:株式会社 岩崎建築設計事務所
施工:株式会社 中尾組
構造形式:木造平屋建て
敷地面積:1,159.38㎡
床面積:195.99 ㎡
工期:2022年11月~2023年3月
事務室を中心としたレイアウトで建物全体に目の行き届きやすいプランとしている。建物は建築計画のセオリー通り東西に細長い矩形として中間期の通風が確保されるよう南北に風が抜ける建具の配置となっている。子どもの活動の場となる乳児室・保育室・タタミ室・ランチルームは仕切りのない大きな1室空間となっており、限られた空間が広く感じられるよう対角線方向に視線の通る配置とし、そのことが保育のしやすさにも寄与している。タタミ室と乳児室はカーテンで、乳児室と保育室は可動の建具でそれぞれ仕切れるようになっており、柔軟な保育のスタイルに対応できるようにも工夫がなされている。
南立面
上北山村は日本一雨の多い大台地方にあり、風も強く吹く厳しい環境であることから軒の出を1.5mと通常より長くとって建物を包み込むような大きな切妻屋根を架けている。
南側にはたっぷりとしたテラス空間を設け園庭と保育室が1連の空間となるように2枚引き込みの木製建具を配置している
テラス
南に配したテラスは奥行3m超とゆったりとした空間を確保し、外壁・天井・建具・化粧柱は全て木製として外部でありながら木に囲まれた心地の良い空間となるよう特に力を入れて設計を行った。雨の日でも建具を開け放ち軒下での外遊びが可能な場所となっている。
玄関トップライトと木製ルーバー
配置の都合で北側になる玄関ホールはトップライトと木製ルーバーによって柔らかいあかりが子どもを出迎える空間となっている。ルーバーの下端は丸みをつけた加工を施し影のラインがくっきりと出ないように工夫をしている
造付け本棚と小窓
タタミ室に設けた本棚も保育士さんとの協働で設計したものであり、様々なサイズの絵本や既存のテレビが収納できるよう寸法が決められている。下段に収められている文机と椅子は村産材を使って村内の木工所さんに製作していただいたもので、机にもなり椅子にもなり踏み台としても使えるようなという保育士さんの要望を聞き設計したもの。
ここには明り取りのために小窓が設けられているが、そのうちの1つを子どもの目線の高さに設定し、そこから運動場の様子がうかがえるようになっている。
新しいロゴマーク
保育園の新しいロゴマークも当社でデザインをしました。
建物の断面形状を模したロゴマークは、大きな屋根の下に子どもたちが楽しく集っている様子を表現したものとなっている。